ドラマ【伴走者】あらすじ・感想〜ガイドロープがつなぐ二人の絆

エンターテイメント

2020年3月にBSーTBS開局20周年記念ドラマとして放送された【伴走者

放送を見逃してしまった方、もう一度見たい方、障がい者スポーツについて知りたい方などにぜひ見てもらいたいドラマです。

今回はドラマ【伴走者】のあらすじ・感想をお話しします。

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【伴走者】概要・ストーリー

競技場のトラック

元有名サッカー選手でありながら、不慮の事故により視力を失ってしまったランナーと、戦力外通告された実業団の元ランナー。

二人の主人公が出会いぶつかり合いながらも共にパラリンピック出場を目指して走る姿を描いたドラマです。

ドラマをより深く楽しむために、まずは障がい者スポーツであるブラインドマラソンとその伴走者について、簡単にお話しします。

伴走者とは?その役割は

視覚障がいを持つ選手のそばについて、一緒に走る人たちを伴走者と呼びます。

様々なスポーツで、視覚障がい者のサポートをする人がいますが、マラソンランナーと共にコースを走り、コース状況や天候、タイムやライバル選手たちの動向などそのすべての状況を選手に伝える伴走者。

マラソン競技に於いては、選手の腕と自身の腕を“ガイドロープ“で繋ぎ、コースを一緒に走ります。

視力を失った選手たちにとって、伴走者との信頼関係を築くことは選手生命を左右することにつながります。

参考:)日本ブラインドマラソン協会

原作

このドラマの原作は、浅生鴨さんの同名小説。

小説では、夏のマラソン編、冬のスキー編の二部構成ですが、そのマラソン編がドラマ化されています。

【伴走者】キャストについて

主なキャスト

  • 淡島祐一(伴走者)…吉沢悠
  • 内田健二(ブラインドランナー)…市原隼人
  • 高倉真希(内田のマネージャー)…北乃きい
  • 淡島奈美(淡島の妻)…美村里江
  • 大滝淳也(淡島のライバル)…高橋光臣

主人公である伴走者を演じたのは吉沢悠さん。冷静な役を演じることの多いイメージが強い俳優さんですが、ランナーとして戦力外通告を受けた後も、家族を養うため伴走者として走ることを決め、内田とぶつかり合いながらも良き理解者となっていく淡島役が好演でした。

 

もう一人の主人公であるブラインドランナー内田健二を演じるのは市原隼人さん。逆境に負けず、ストイックに自らと向き合い自分にも他人にも厳しい、そんな役が本当によく似合う人だと感じます。

以前、他局でのドラマで演じた車いすバスケの選手役も、寡黙だけれど熱いものを内に秘めた演技で魅力的でした。

車いすバスケを描いたドラマ【君に捧げるエンブレム】あらすじ・感想
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あらすじ

実業団の駅伝チームでランナーとして活躍していた淡島は、ニューイヤー駅伝の選手から外され事実上の戦力外通告を受ける。

それは、同時にリストラを意味するもの。受験を控えた息子や第二子妊娠中の妻を思うと、今仕事を失うことはできない。

そんな淡島に、伴走者としてのオファーがかかる。オファーしたのは世界的に有名な元サッカー選手内田だった。不慮の事故で視力を失い、サッカー選手として再起不能となった内田は、密かにマラソンランナーとしてパラリンピックを目指している。

迷いながらも伴走者を引き受けることとした淡島だったが、内田とはぶつかり合うことばかり。

それでも、練習を重ね、合宿で寝食を共にする中で徐々にお互いへの信頼関係が強固なものになっていく。果たして二人は選考会で勝利を手にすることができるのか。

盲目のランナーとの出会い

日和食品の陸上部。実業団のニューイヤー駅伝出場選手を目指していた淡島は、出場選手に選ばれなかっただけでなく、戦力外通告を受け会社をクビになる。

重い足取りで自宅へ帰ると、二人目の出産を控えた妻、奈美がメンバー発表の報告を待っていた。

本当のことを言い出せずにいた淡島は、別の日陸上部の監督から視力を失った元サッカー選手内田がランナーとしてパラリンピックを目指していることを伝えられ、「伴走者やってみないか」と、内田の伴走者になることを勧められる。

乗り気ではなかった淡島だが、もし内田を選手としてパラリンピックに出場させることができたら、会社の陸上部で雇ってくれる、という条件に惹かれ、内田と会うことにする。

数日後、内田に会いに行った淡島は、横柄な態度の内田に激怒。伴走者はできないと考えるが、今までの倍の給料を支払うという内田。これから子供が生まれることを考え、渋々引き受けることになる。

自分より年下だが、元世界的なサッカー選手だった内田は身体能力も高く、上から目線。淡島にとって内田はイヤなやつでしかなかった。

ライバル

パラリンピック選考会まで3ヶ月。

ある日、淡島はかつてのライバルだった大滝と出会う。淡島は学生時代、大滝と同じレースに出場し屈辱を味合わされていた。

その大滝は、現在実業団のエースとして活躍している傍らで、パラリンピック有力候補であるブラインドランナーの伴走者を務めていた。

大滝との出会いをきっかけに、本気で伴走者として内田をサポートすることにした淡島は、内田、マネージャーである真希とともに合宿練習に入る。

 

出会いは最悪だった内田と淡島だが、合宿での練習を続けるうち、徐々にお互いを認めていく。

有名なサッカー選手だった内田は、マスコミに騒がれるのを避けるため、練習も競技場を貸し切りにし内密にしていたが、ある日手違いで他のランナーたちと一緒に走ることになる。

そこにはライバルであるランナーと、あの大滝もいた。内田たちの邪魔をするような走り方、かつての傷に塩を塗るような嫌味な言葉を投げかける大滝に、カッとなって思わず殴ってしまう淡島。

警察に被害届を出した大滝のせいで、淡島は伴走者として走ることが危うくなる。

他の伴走者を見つけるよう話す淡嶋だが、内田は淡島を待ち続け一人黙々と練習していた。

内田と真希の関係は

目の見えない内田のそばで、練習のサポートはもちろん、合宿中の食事や送迎、身の回りの世話など全てを支えている真希。

淡島は二人を恋人だと思い込んでいるが、真希は「仕事上だけの付き合い」だと言う。

普段は強気な内田だが、本心は失明したことから立ち直れず生きる希望さえも失っていた。

サッカー選手だった内田の通訳として雇われていた真希は、彼が苦しんでいる姿をずっと見守ってきた。失明した内田の周りから多くの人が去っていく中、真希だけが一人変わらず内田のそばで彼を支え続けていた。

 

年末、真希は実家へ里帰りし、一人きりで年越しする内田を心配した淡島は内田の泊まっているホテルへインスタントの年越しそばを持って訪れる。

内田と真希を見てきた淡島は、「お前の走りに足りないのは愛だ」と伝え、真希のために走るよう促す。

選考会

大滝が警察への被害届を取り下げたことで、伴走者として復帰できた淡島。

選考会まであと7日に迫った日、淡島は真希から内田がなぜマラソン選手を目指すことになったのかを聞かされる。

内田が高校生の頃、大怪我をして選手生命が絶たれようとしていた時、淡島が出場していた大学駅伝を見た。大滝に惨敗だったあのレース。淡島はハイペースがたたり途中棄権したのだが、負けることを恐れずに立ち向かい這ってでも襷を届けようとするその姿を目にし、内田はもう一度サッカー選手を目指すことができたのだと。

 

選考会前々日。

淡島から言われたことをずっと考えていた内田は、真希に「お前が好きだ」と伝えた。

目の見えない内田は気づかなかったが、真希の目からは涙が溢れた。

そしてついに選考会。

スタートして間も無く、自宅にいた淡島の妻が産気づき、給水所でレースを見守っていた真希の元へ連絡が入る。

レース中盤、淡島の足首の怪我が悪化しペースが落ちると、ライバルである大滝たちが内田たちを抜いていく。

給水所でドリンクを手にした淡島は、そのドリンクに貼られた「女の子無事誕生」の文字に自らを奮い立たせ、大滝を追いかける。

ゴール間際、この数ヶ月のことが次々に思い出される淡島と内田。二人を繋ぐヘザー(ガイドロープ)に一層力を込め追い抜くと、ついにゴール。

まさかの結末

トップでゴール!

と思いきや、審判から「失格」を告げられる。

ブラインドマラソンでは、伴走者がランナーより前を走ってはいけないルールなのだが、本気で走った淡島は内田より先にゴールテープを切ってしまったのだった。

パラリンピックには出られないことになる内田だが、内田は号泣しながら

「俺はあんたと走りたかっただけなんだ。ありがとうございました」

と、淡島に敬語でお礼の言葉を伝えた。

数日後

ニュース番組では内田がウガンダでサッカーチームを立ち上げたと報道され、それを淡島の妻が生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて見ていた。

その頃淡島は、オリンピックを目指し、トラックで一人黙々と走っていた。

感想

私自身、ある日突然難病だと告げられた経験から、こういう逆境に立ち向かっていく姿を描いたドラマを観ると、「私も頑張ろう」という気持ちが芽生えるのでついつい見てしまいます。

今回のドラマは、全体を通じて目が見えないこととは?を考える良い機会になりました。

見えなくなった本人はもちろんのこと、周りで支える人の想いや生活。

 

見えている人にとっては何ともない少しの段差、道路に空いた穴、カーブや坂の勾配など、全てを言葉で伝えなければならない伴走者。

相手との距離、タイム、ペース配分など普通に走ることの何倍も周りのことに気をつけて走ることは、とても大変なことだろうと思います。

見えることが当たり前の人にとっては些細なことも、見えない人にとっては大きな問題。サポートするために必要なことは、相手の立場で考えることが何より大切なのだと感じます。

心から信頼し合うこと

伴走者となったばかりの淡島と内田の相性は最悪と言っていいほどぶつかり合ってばかり。

内田は気に入らないことに対しては激しく叱責するし、年上の淡島に対する態度も遠慮がない。

淡島から見たら、ムカつくだけの内田と一緒に走ることはどんなに苦労したか、毎日が我慢の連続だったんじゃないかと思うと、いくら生活のためでも「よく我慢したな」というのが正直な感想でした。

それでも徐々にお互いを理解し、本気で同じ目標に向かって走る二人の姿はやっぱり感動しました。

マラソンだけでなく、私生活においても二人が互いに信頼を寄せていることで、より強くなっていくことがわかるストーリーで楽しめました。

 

不器用な愛情表現

元々は、海外でプレーする内田の通訳として働いていた真希は、内田が事故で視力を失った後もマネージャーとして公私ともに彼を支え、食生活の管理もしっかりとこなしています。

ずっとそばで支えてきた真希の想いに気付いた淡島は、内田に対して「真希の想いに応える」ようアドバイス。

レースや淡島には激しく感情をぶつけてくる内田も、真希に対する感情表現は、あまりに不器用。

見ている側からすれば、絶対にうまくいくはずだと思っても、相手の表情が見えないということは、こういう場面でもやっぱり大きな不安なんですよね。

私生活での伴走者、真希が内田と歩むこれからの人生も幸せでいてほしいと心から思いました。

最後は号泣

パラリンピック代表選手が決まる選考会。必死に走る二人の姿は本当に熱いものでした。

かつてのライバルとの死闘を制した、と思いきやまさかの結末なのですが、ゴールした内田が号泣しながら話した淡島への想いに、思わずもらい泣き。

パラリンピックを目指すと言っていた内田が、レースに勝つことではなく、淡島と一緒に走ることに意味があったのだと、その熱い思いと人柄に感動でした。

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まとめ

ドラマ【伴走者】のご紹介でした。

周囲や選手に気を配りながら共に走る伴走者は、自身のランナーとしての素質もさながら、戦術を考えランナーの体調を見極め、サポートする重要人物です。

見えない中で、伴走者からの情報だけを頼りに走り続けるランナーも、体力だけでなく精神力がないと強いランナーにはなれないだろうと思います。

それだけ信頼できるパートナーを見つけられること自体、運命的なことかもしれませんね。

TOKYO2020パラリンピックでは、アフリカの島国カーボベルデの視覚障がいを持った女子選手が自身のガイドからプロポーズされる場面もありました。

苦労を共にしてきたからこそ掴む幸せな瞬間。

パラリンピックでは、選手たちの活躍にとても勇気をもらいました。これからも全ての人が幸せになれる世界になるといいなあと思います。

 

 

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